この記事では、LaTeXではどのように図や数式を挿入するの?という基本的なことをご紹介します。
レポート作成や文書作成の参考にしていただけたら幸いです。
プリアンブル
\documentclass{~}と\begin{document}の間のことをプリアンブル、といいます。
ここでタイトルを出力したり、著者を出力できます。
ほかには、ページのレイアウトを変えたり、パッケージの読み込みなどができます。
あとで詳しく書きますが、パッケージの読み込みは図を挿入するときに必要になります。
タイトルの出力
プリアンブル部分に書くことは、\title{タイトル}、\author{著者}、\date{日付}です。
これだけでは出力されないので、\begin{document}の下に\maketitleを付けるのを忘れないようにしましょう。
ソースコード
\documentclass{jsarticle}
\title{レポートタイトル}
\author{学生番号XXX-XXXX 〇〇〇〇 〇〇〇〇}
\date{2020/3/04}
\begin{document}
\maketitle
\end{document}
出力結果

ちなみに、日付をなくしたいときは\date{}とするだけでできます。
図の挿入
基本の使い方
図を挿入するには、プリアンブルでgraphicxパッケージを読み込む必要があります。
\usepackage[dviout]{graphicx}
実際に図を入れるときにはfigure環境と includegraphics コマンド が必要になります。
figure環境では図の位置を変えること、 includegraphics コマンド では図のサイズとファイル名を指定することができます。
\begin{figure}[位置]
\includepraphic[オプション]{ファイル名}
\end{figure}
位置を指定するコマンドは4つあります。
位置指定 | 内容 |
h | その場(環境宣言した場所)に図を出力 |
t | ページのトップに図を出力 |
b | ページの下に図を出力 |
p | 新たなページに図を出力 |
includegraphics コマンド でのオプションは5つです。指定するときはcmや㎜でできます。
オプション | 内容 |
width | 画像の幅の指定 |
height | 画像の高さの指定 |
scale | 画像の拡大、縮小の指定 |
angle | 画像の角度の指定 |
clip | 画像のはみ出した部分の切り取り |
具体例
ソースコード
\documentclass{jsarticle}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\begin{document}
月の画像を図\ref{fig:moon}に示す。
\begin{figure}[h]
\begin{center}
\includegraphics[scale=0.1]{moon.jpg}
\caption{月}
\label{fig:moon}
\end{center}
\end{figure}
\end{document}
出力結果

図や表、数式の参照をして番号を変える方法はこの記事で紹介しています。

表の挿入
基本の使い方
表の挿入にプリアンブルでのパッケージ読み込みは必要ありません。
table環境で位置を、tabular環境で列の指定を行います。
\begin{table}[位置指定]
\begin{tabular}{列指定}
%ここに表を入れる
\end{tabular}
\end{table}
位置指定のコマンドは図と同じです。
表のセルは&で、行は\\で区切ります。
列指定のコマンドは3つです。
列指定 | 内容 |
l | 列を左寄せにする |
c | 列を中央に寄せる |
r | 列を右に寄せる |
表に罫線を引くこともできます。
縦罫線を引くには列指定に|(パイプ)を入れ、横罫線は行の最後(\\の後ろ)に\hlineと書くとできます。
具体例
ソースコード
\begin{table}
\begin{center}
\begin{tabular}{|c|c|c|}
\hline
量 & 単位 & 単位記号 \\ \hline
長さ & メートル & m \\ \hline
質量 & キログラム & kg \\ \hline
時間 & 秒 & s \\ \hline
\end{tabular}
\end{center}
\end{table}
出力結果

excelからLaTeXの表へ変換する
データをexcelでとったとして、いちいちLaTeXにもう一度打ち込むのはかなりの手間ですよね。
Wed上にはexcelのデータをLaTeXで使えるようにしてくれるサイトがいくつかあります。
私がよく使っているのはこちらです。
使い方は簡単で、まずexcelを開いてデータをコピーします。

先ほどのリンク先に貼り付けて、ボタンを押すだけです。

変換結果はtabular内で使えるので、\begin{tabular}の下に貼ってください。
まとめ
LaTeXでの図、表の基本を紹介しました。
数式の挿入や数式記号の使い方については下の記事を参照してみてください。