AMD製のCPUとして新たなアーキテクチャとしてZen3が発表され、5000シリーズが発売されています。
高性能のRyzen9やRyzen7よりは性能は劣りますが、ミドルクラスのCPUとしてRyzen5が展開されています。
そのRyzen5には5600Xと5600Gで末尾の違うCPUがあり、およそ3000円ほどの価格差があります。
そこで、この記事では
・5600Xと5600Gの違い
・性能比較
・それぞれの適している場面
を解説していきます。
5600Xと5600Gの違い
これらは名前は似ていますが、同時期に発売されたわけではありません。
Ryzen5 5600XはZen3の登場とともに2020年11月6日に発売されました。
一方Ryzen5 5600Gが発売されたのは2021年8月6日と比較的最近です。
基本スペック
Ryzen5 5600X | Ryzen5 5600G | |
---|---|---|
コア数 | 6コア12スレッド | 6コア12スレッド |
クロック周波数 | 3.7 GHz(最大4.6 GHz) | 3.9 GHz(最大4.4 GHz) |
TDP | 65W | 65W |
PassMarkスコア | 22154 | 20089 |
Cinebench R23(single) | 1572 | 1504 |
Cinebench R23(multi) | 11268 | 11077 |
L3キャッシュ | 32GB | 16GB |
価格 | 約37,000円 | 約34,000円 |
CPUの性能としては5600Xの方が少し高いくらいで、そこまで大きな差はありません。
値段は時期によって多少の動きはあるものの、およそ2〜3000円差がついています。
どちらのコストパフォーマンスが高い、というよりはどちらもコスパが高いです。
性能に差があるのはL3キャッシュの容量で、5600Xは5600Gの倍あります。
内蔵グラフィックの有無
AMD製CPUの末尾にGがついているものは内蔵グラフィックが搭載されています。
つまり、5600XでPCを組むには追加でグラボも必要になるわけです。
内蔵グラフィックなので、そこまでの高負荷の処理ができるわけではありませんが通常の使用ならば問題ないでしょう。
しかし、重めの3DゲームやFPSなどをプレイするのはかなり厳しいです。
それぞれの適している状況
CPUの性能的にはやや似ていますが、内蔵グラフィックの有無などの違いにより適した状況が変わってきます。
グラボを積まないPC
5600Xと5600Gを比較したときに、やはり内蔵グラフィックを使うかどうかで変わってくるでしょう。
もしPCにグラボを積む予定がなく、CPUのグラフィック機能で済ませるならRyzen55600Gがいいでしょう。
ゲームをしないなら5600Gの内蔵グラフィックで十分ですし、軽いゲームくらいならばできるので合計金額を安くする手段として5600Gを選ぶのもいいでしょう。
高性能グラフィックボードを積むPC
特に高性能なグラボを積んで運用する予定ならば、5600GよりはRyzen5 5600Xの方をおすすめします。
理由としては、主にRyzen5 5600GのL3キャッシュ容量の低さがあります。
5600Gで性能の高いグラボを使うと、L3キャッシュがボトルネックになって5600Xで使う時よりも性能が落ちてしまいます。
ただ、それほどの高性能なグラボを積むならCPUもより性能の良いものにするべきなので、Ryzen7やCore i7以上が欲しいところです。
5600Gを5600Xの下位互換として運用
Zen2でのRyzen5 3600と3600Xほどの性能差があるわけではありませんが、Ryzen55600Gを下位互換として使うのはありだと思います。
ミドルクラスくらいのグラボならばそこまで大きな差が出ることはないでしょうし、価格も多少安いので少しでも合計予算を少なくしたいならば5600Gがいいかもしれません。
ただ金額の差はそこまで大きくないので、3000円くらいなら出してもいいかなと思うなら5600Xにしときましょう。
CPUの性能は高いに越したことはありません。
自分の求めるPC環境に合わせて選ぼう
Ryzen5の5600Xと5600Gの違いをご紹介しました。
大きな違いは内蔵グラフィックなので、まずはそこから選んだらいいと思います。
純粋にCPUの性能だけで比べるなら基本的にはRyzen5 5600Xを選んでおけば間違いないでしょう。